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地代所明美の「ハッピー・タッチング」コラム バックナンバー


第2回

「ことばのたからもの。」


先日、相方が次男(4歳)を保育園にお迎えに行った時のことです。

あたりはすっかり日が落ち、こおろぎや鈴虫など、秋の虫がにぎやかに鳴いているという、とってものどかな田舎道を二人は手をつないでおうちへと向かっていたそうです。

ふと、次男が、「リーン、リーン」とあたりを包む虫の声に聞き入るかのように立ち止まりました。

「ねえ、とうと、この音、何の音?」と次男が聞いてきました。

「え、これは、鈴虫さんかな~?こおろぎさんかな~?いろんな声がするね~」

と、虫の名前を聞かれたのだと思って相方が言葉を返すと、次男は、

「へえ、虫さんの鳴き声だったんだ~。ぼく、おほしさまの音だと思ってたよ」

と。

ふと見上げると、空にはちらちらと星が見えます。

これまでも同じように星が出始めた時間に、その音(虫の声)が聞こえてきていて、次男の中では「きらきらきらーっ」とお星様の音がしているのだと思っていたらしいのです。

なんと、ロマンチックなイマジネーション!

相方は

「そうだね、お星様みたいにきれいな音だね」と伝え、「そういうきれいな音が虫さんも

出せるんだよ」と教えたそうです。

子供だからこそのこういう「ことば」、とっても楽しいですよね。

みなさんのお子さんもいろいろなエピソードがあるのでは・・・と思います。


次男の話でいうと、もう一つすてきな「ことば」がありました。

この夏の、すっごく暑い日に、次男が相方にこう言ったそうです。

「とうと、今日、すっごくあついね~。今日はおひさまがたくさんいるのかな?」。

「おおぉ、暑いときは、太陽がいつもより数多く出ているっていう考え方なのかぁ!」

と、後日相方からこれを聞いた私は、この新発想に大興奮してしまいました。


私はこういう子供たちの「ことば」を「ことばのたからもの」と呼んでいます。

忘れないうちに、何でもいいから紙片にメモし、後日きちんと整理して保存します。

大きくなってからそれを見返すと、その時のシーンや空気やその場にいた人の表情なども

一緒に思い出されて、すごく懐かしく、あったかい気分にしてくれます。


長男(現在、中1)も、同じく4歳の時にとっておきの「ことばのたからもの」を私にくれました。


二人でクルマに乗ってお買い物へ行く途中、クルマの中に赤ちゃんのこおろぎが

迷い込んでいて、ダッシュボードの上でとびはねていました(あれ、そういえば、またこおろぎだ)。しばらくそれをながめていた長男は、

「ねえ、こおろぎさんは知ってるの?」

と聞いてきました。

運転している私は、「は?なに?」と突然の質問の真意がわからず、ややぶっきらぼうな返事。

「だから、こおろぎさんは、こおろぎさんだって知ってるの?」とたたみかける長男。

「は?こおろぎさんの何が知りたいの!」

とワケがわからず、ピントはずれな質問を返す私。そして、半ばキレぎみに、

「だからぁ!こおろぎさんは自分がこおろぎさんだってことを知ってるのかって聞いてるのぉー!」

と長男。長男は、「わたしは誰」的な哲学的質問を私に試みていたのでした。

その深遠なる問いかけは、見事に私の「笑いのツボ」にはまり、運転が困難になるほど、

笑い転げてしまいました。その時自分が何と答えたか、覚えていないのですが、長男も一緒になって笑い転げていた記憶があります。

そして今もこの「こおろぎさん話」は、話題となるたびに、みんなの表情をなごやかにしてくれるすてきな「たからもの」です。


その時期だからこその「ことば」があります。

その一瞬をすくいとることで、ずーっと生き続ける「輝き」となります。

子供の「ことば」も抱きしめたい、そう思います。

「ことば」に寄り添う、それは心に寄り添うこと。

まるでネタを提供しているかのような、奇想天外な「ことばのたからもの」。

だけど、「そんな、ばかな!」「なに、言ってるの」という前に、いったん全部受け止める、引き受ける、まるごと抱きしめる、そうしたいと思います。

「あなたの全部が大好き」という思いと共に。

だって、それはみんなをあったかくしてくれる、特別な特別な「たからもの」だから。

みなさんも、お子さんのすてきな「ことばのたからもの」、ぜひぜひコミラボまで送ってください。

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